あああ  h.n の Stay hungry.Stay foolish.: 3月 2013

2013年3月30日土曜日

 
 
 

【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その④ パーツの選び方 メモリ編~
  
  

今回はメモリモジュール(以下、メモリ)選びについて書いていきます。


メモリとは?


CPUはHDDから一度データやプログラムを読み出しメモリに移します。
そしてメモリとデータをやり取りしながら処理を進めます。
メモリの処理速度、特に容量がPC全体の性能に大きく影響します。


メモリ選びのPoint


 DDR3が主流
   メモリの規格はDDR3が主流です。
   こだわりがなければDDR3一択。

 32Bitマシンの場合は注意が必要
   Windows(またはCPU)が32bit版の場合、4GB(実質 3.12GB)までしか認識されないので注意が必要です。

 バルク品の優位性はほぼなくなっている
   以前、バルク品はパッケージ品より安く手に入ったため選択肢の一つになっていましたが、
   現在は、パッケージ品も安くなり、バルク品のほうが必ずしも安いといえない状況になっています。


メモリの種類


 ■DIMM(Dual Inline Memory Module)

  自作PCでもっとも一般的なメモリ

 ■SO-DIMM(Small Outline DIMM)

  小型PC向けのマザーボード、ノートPCで使われるメモリ


使用するメモリの種類は先に選んだマザーボードによって決まります。
この記事を読んでくださっている方の大半はDIMMかと思われます。

現在、SDRAMという種類の派生型が一般的に使われています。
DDR3 SDRAMと表記されます。


DIMMの世代について


DIMMにはDDR/DDR2/DDR3と3世代のモジュールがあります。
性能はDDR→DDR2→DDR3と代を重ねていくほど向上しています。

重要なことは、DDR/DDR2/DDR3に互換性がないということです。
つまり、DDR2を使用していたマザーボードにはDDR3は使用できません。

誤ってDDR2のソケットにDDR3のメモリを挿してしまわないよう、
切り込みの位置が変えてあり物理的に装着が出来ないようになっています。

また、見た目で判断する材料として、
DDR3には終端抵抗という部位が端にあるのに対し、DDR2には終端抵抗自体がありません。

DIMMの規格について


メモリの性能の表現は、「DDR3-1333」「PC3-10600」と表記されます。
記号、数字ばかりで非常に分かりにくいですね。
しかも「DDR3-1333」「PC3-10600」は同じ性能のメモリを指しています。

 ■DDR3-1333
 
  対象は、メモリチップ単体の転送性能。
  「1333」は周波数を表し、1333MHzで動作するという意味。
  

 ■PC3-10600

  対象は、DIMM(メモリ全体としての転送性能)
  「10600」はメモリ全体としての単位時間当たりの転送速度を表す。
  DDR3-1333のメモリチップを使用した場合、1333MHz × 64bit = 10667mbpsとなる。


右側の数字が大きいほど性能が良いといえます。
しかしマザーボードが対応していない場合、マザーボードがサポートしている速度までしか出ないので注意が必要です。

DDR3-1333以上が現在の主流です。


相性問題


メモリといえば「相性問題」。なんとも擬人的で曖昧な表現です。
動くはずなのにメモリが認識されなかったり定格どおり動作しない状況を指します。
「機械的信号の送受信における互換性の不備・欠陥」とでもいいましょうか。

以前は相性問題が結構頻発していましたから、メモリは店舗で相性保証をつけて購入するのがセオリーでした。
DDR3が主流になり技術的な進歩も相まって、現在はあまり気にしなくてもいい要素になってきています。

【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その③ パーツ選び マザーボード編~でもご紹介しましたが、
マザーボードメーカーのHPで購入するマザーボードが購入予定のメモリーをサポートしているかどうか確認するといいと思います。
マザーボードメーカーが動作確認しサポートしているということで安心感が違います。

私自身、今回の自作を含め、DDR3のメモリの増設・交換で6枚程度購入していますが相性問題は全く起こっていません。


バルク品ってお得なの?


バルク品にはいろいろと種類があります。
 ①PCメーカーが大量に入荷した一部が市場に出たもの
 ②正規の検査を合格したものをパッケージを省略することで安価にしたもの
 ③正規の検査に不合格となったチップ・モジュールを動作確認し製品化したもの
 等々

①②のメモリに当たった場合は心配は不要ですが、③の場合は微妙です。
動作しないものが販売されることはありませんが、そもそもの検査に不合格となった個体という意味では不良品です。
使用直後はきちんと動作するかもしれませんが、長期的に安定動作するか不安が残ります。

一方の正規の検査を合格したパッケージ品ですが、現在、安価になってきておりバルク品と大して金額に差がない状況です。
金額に大差がないのですから、不安要素があるバルク品をわざわざ購入する理由はないと思います。
※そういったトラブル込みで機械いじりを楽しみたいといった場合は別ですよ(^―^)


容量はどのくらいにしたらいい?


メモリ自体の価格が大分低くなっていますから、出来るだけ容量は大目にしたほうがよいと思います。
普通の構成であれば、4GBで十分かと思います。
OS、ソフトの肥大化か進んでいますから、将来的なことを鑑みて8GB用意しておくと後々増設などの心配がなくなるかもしれません。
特にメモリスロットが2つしかないといった場合は、増設することができないので初めから容量を多めに確保することをオススメします。
価格も、4GB × 2枚 = 8GB で、¥5,000ぐらいで購入できます。

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メモリメーカーのおすすめは?


基本的にどこのメーカーを選んでも問題ないと思います。
私が過去購入して特に問題が起きていないメモリメーカーを挙げておきます。
 
 ■A-DATA
   メインPCのメモリです。2GB × 3 のトリプルチャネルで運用中。
   一度、3枚のうち1枚が認識されずデュアルチャネルになっったことがあるが、
   メモリの抜き差しで解消。ただの接触不良と思われる。

 ■BUFFALO
   ユーザーも多いので何か問題があったときに解決しやすい。
  
 ■UMAX
   メインPCの増設用に2枚セットを2個(計4枚)購入。
   3枚はメインPCで問題なく動作しています、残り1枚は、まな板PCで稼働中。

 ■Silicon Power
   価格が安く永久保証つき。
   ただ、過去に購入したCFが不良品だったことも…


他にも、私は使用したことがありませんが、IODATA、Transcend、Kingstonなどあります。


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以上の項目を確認しながらメモリを選ぶことになります( *`ω´)ノ


私の場合、メインPCのメモリ増設の際に余ったメモリを流用です。


UMAX DDR3-1333。お値段、¥1,530(2枚組みで¥3,060)也!!!

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今回私が通販で利用したのは、Amazon
いい意味で必要最低限の梱包です。余分なゴミになるようなものは入っていないが、安心できるレベルの梱包。
購入から手元に届くまでの期間が短いのもいい。一番安心して購入できる。おすすめです。
実質¥2,500以上で送料無料。

意味があるのか分かりませんが、ロゴが書いてある保護プレートらしきものは、
むき出しのまな板PCにいいアクセントになりそうですヾ(*≧∀≦)ノ゙ ラッタララ♪



評価・レビュー


使い始めて1ヶ月ほど。安定して稼動しています。
ただし苛酷な環境下ではどの程度のパフォーマンスなのか未知です。
お気軽な1枚目としては、価格も安くおすすめできます。





今回はこのへんで。
次回はHDD/SSD選びについて書こう思います
みなさまのPCライフのお役に立てれば幸いです<(_ _)>


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【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その② パーツの選び方 CPU編~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その③ パーツの選び方 マザーボード編~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑤ パーツの選び方 HDD/SSD編~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑥ ケース作り(アクリル板加工)~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑦ USBメモリからOSをインストールする方法(UNetbootin)~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑧ 組み立て手順、及び注意点(CPU、メモリの取付け。電源ケーブル配線)~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑨ 組み立て手順、及び注意点(HDDの取付け、ケースへの配置)~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑩ 動作確認、BIOS設定~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑪ OSインストール Linux Ubuntuとは?~


2013年3月12日火曜日

 
 
 

【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その③ パーツの選び方 マザーボード編~
  
  

今回はマザーボード選びについて書いていきます。
CPUが決まったら、次はマザーボードを決めることになります。


マザーボードとは?


マザーボード(以下、MB)は、全てのパーツが取り付けられる基盤です。
CPU、メモリ、HDD、その他のパーツの橋渡し的役割を担っています。

MB自体がPCの性能を大きく左右することはありませんが、取り付けられるパーツ類などはMBに依存することになります。
CPUがパソコンの性能を決めるパーツに対し、MBはパソコンの最大機能、拡張性(将来性)を決めるパーツになります。


マザーボード選びのPoint


 CPUのソケット形状、チップセットの確認
   ソケット形状(規格)の違うCPUとMBを組み合わせることは出来ません。
   MBに接続される機器を制御するチップセットによって実現できる項目が変わってきます。
   オーバークロック(OC)等を行わない標準的なPCを組む場合はあまり気にしなくても大差ない。

 マザーボードの性能は、取り付けが可能なパーツの種類、及び拡張性
   各種拡張ボードを増設したくてもMBに空きのスロットがなければ増設できません。
   どうしても増設したければ新しくスロットが十分にあるMBに替えることになります。
   将来性(拡張性)考えて必要なソケット、端子の種類、数を備えたMBを選びましょう。。

 個人的観点ですが…見た目。。。
   はっきり言ってMBはケースの中に納めるものなので、見た目は関係ありません。
   無駄なこだわり。所有欲です。
   機械好きな方は分かってくれるはず。コンデンサーの配置とか配色とか。
   ちなみに私の好みは、カラフルではないシックな色調ですっきりとしたMBが好みです…(o´I`)…。


マザーボードの構成


MBは主に以下のスロット、端子で構成されています。
 
 ①CPUソケット
 ②メモリスロット
 ③Serial ATAコネクタ
 ④チップセット
 ⑤PCIスロット
 ⑥PCI Express スロット
 ⑦I/Oパネル
 ⑧オンボード機能


CPUソケット


CPUを取り付ける場所です。
CPUによって形状が異なるため、選んだCPUのソケット形状に合うMBを選ぶ必要があります。
現在、IntelのCPUではLGA20111155775があります。


メモリスロット


メモリを取り付ける場所です。
現在、メモリの主流はDDR2からDDR3にほぼ完全に移っています。選ぶ際はDDR3に対応したMBを選んでください。
メモリは増設する機会が一番多いパーツです。
スロットは余裕をもたせたほうが将来的に融通がきくと思います。

メモリを2枚セットで使い転送速度を高速化する「デュアルチャネル」という技術が登場し現在の主流になりつつあります。
メモリを3枚セットで使う「トリプルチャネル」、メモリを4枚セットで使う「クアッドチャネル」もあります。

メモリ関連で注意することが2点あります。
①デュアルチャネルは、原則、同性能のメモリを2枚搭載しなければ意味がありません。
 また、トリプルチャネル対応のMBだとしてもメモリが2枚ならばデュアルチャネルとして動作します。
②Windows(またはCPU)が32bit版の場合、4GB(実質 3.12GB)までしか認識されません。


Serial ATAコネクタ


HDD、SSD、光学ドライブを接続するコネクタです。SATAとも呼ばれます。
以前まで、IDEというコネクタにHDDを接続していましたが、現在はSATAに移行しています。

Serial ATA 6GbpsSerial ATA 3Gbpsの2種類のコネクタがあります。
違いは転送速度で、SSDを組み込む予定がある場合はSerial ATA 6Gbps用のコネクタがあるMBを選んだほうがいいです。
Serial ATA 6Gbpsが1個、Serial ATA 3Gbpsが3個ぐらいは欲しい。

Serial ATAコネクタの数が多いほどHDDなどのドライブを多く接続できます。

余談ですが。
以前ブログで紹介したPIO病。
この旧形式コネクタ、IDEで接続した場合に発生するのです。
SATAに移行した現在、PIO病になってしまうPCは減少してくるでしょうね(^―^) →PIO病とは? ~症状と対応~


チップセット


チップセットによってMBの性能(実現可能な機能)が大きく変わります。
ただ、チップセットの内容・仕様が分からなくても心配ないです。

MBを直接見れば大体分かります。
「MBに乗っかっているスロットの種類、数≒チップセットの性能」だからです。


PCIスロット


各種拡張ボードを挿入するスロットです。
「サウンドボード」「地デジチューナー」など。

ある程度数があるほうが何か拡張したい際に安心です。


PCI Express スロット


現在主流のPCIスロットです、「PCIe」と表記されることもあります。
x16、x8、x4、x1と数種類あリ、
x16はグラフィックボード用、x4x1が一般ボード用(PCIスロットの代替)です。

グラフィックボードを組み込むのであれば、PCI Express x16を搭載したMBを選択しましょう。


I/Oパネル


背面にある、USB端子、PS/2端子などの各種インターフェースをまとめた部分です。
ディスプレイの端子には注意が必要です。現在DVIピンが主流のため、アナログ用のD-subピンがついていない場合があります。ディスプレイを交換する予定がないのであればアダプタを別途用意する必要があります。


オンボード機能


オンボードとは、MBに最初から備わっている機能のことです。
例えば、グラフィック機能、サウンド機能、LANなどです。
必要な方は絞られてきますが、RAID機能がオンボードのMBもあります。


-----------------------------------------------------------------
以上の項目を確認しながらMBを選ぶことになります( *`ω´)ノ


フォームファクタ


フォームファクタはMBの規格です。
フォームファクタでは、MBのサイズ、ねじ穴の位置、I/Oパネルの位置や大きさ、スロットの間隔が決められています。

主なフォームファクタを上から寸法が大きい順に並べると以下のようになります。

 Extended ATX :305 * 330 mm
 ATX :305 * 244 mm
 microATX :244 * 244 mm
 Mini-ATX :150 * 150 mm

ATXが標準的なフォームファクタになります。
大きくなるほどスロットの種類、数が多くなります。
逆に、サイズが小さくコンパクトになればなるほど、スロットの種類、数は減ります。

必要なスロットの種類、数を見定めてフォームファクタを決めましょう。


どのメーカーを選べばいい?


 ASUS
    迷ったらこれ!使用しているユーザーが多いので情報が入手しやすいです。
 GIGABYTE
    こちらも定番。
 ASRock
    マニュアルが英語、かつ簡易的(日本語版の付属あり)。その代わり低価格でGetできます。
    ある程度英語が読めて、MBの知識があればOK。


メーカーサポートの有無


MBが決まったら、MBメーカーのサイト等で、先に決めたCPUがサポートされているか確認しましょう。
(例:ASRockのサポートページです。サポートしているCPUを確認することが出来ます)



今回私が作りたいPCは「拡張性は必要ない」「省スペース」「低コスト」です。
以上3点を踏まえたうえで、私が選んだMBはこちら!


ASRock B75M-DGS R2.0。お値段、¥5,481也!!!

今回私が通販で利用したのは、TSUKUMO
他のパーツも併せて購入しましたが、商品の周りをきちんとエアクッションで覆って梱包されていました。
¥5,000以上で送料無料。


スペックは
 ■チップセットはB75。ビジネスユース向け。
 ■フォームファクタはmicroATXで省スペース。
 ■デュアルチャネル DDR3。
 ■PCIe x16 1スロット。 PCI 1スロット 中途半端に拡張性を持たせています。
 ■二種類のモニター出力。DVI-DおよびD-Sub 

安くていい品です。低コストPCを組むには最適では!?

ASRockのCPUサポート一覧にCeleron G1610が記載されていますし、
なんといっても無骨なデザインと配色が好みヾ(*≧∀≦)ノ゙ ラッタララ♪


これでPCの中核となるCPU、MBが決定しました。
オーバークロック(OC)をする予定はないので比較的スムーズに決めることが出来ました。
OCをする場合は、高性能CPU、安定感・強度があるMB、安定した電源を厳選する必要があります。
また、OCは限界性能ギリギリまで引き出すことになりますから、パーツ間のやり取りに齟齬が生じやすくなりPCが不安定になります。
寿命も縮まります。
あくまでOCは遊びの範囲で。


評価・レビュー


使い始めて1週間ほど。加えて、CPU、メモリ、HDDの最小構成なので評価しにくいですが、
極めて安定しています。
組み立て時も問題はなく扱いやすいMBだと感じました。
マニュアルが英語ですが、英語が読めなくても何となく分かると思います。
自作PC本があれば、簡単な構成なら、マニュアルがなくても組み立てられます。
オススメMBです。




今回はこのへんで。
次回はメモリ選びについて書こう思います
みなさまのPCライフのお役に立てれば幸いです<(_ _)>


【自作PC】まな板PCを作ってみた 関連記事


【自作PC】まな板PCを作ってみた
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その① 目的、システム要件を決める~
【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その② パーツの選び方 CPU編~
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【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その⑪ OSインストール Linux Ubuntuとは?~


2013年3月11日月曜日

 
 
 

【自作PC】まな板PCを作ってみた ~その② パーツの選び方 CPU編~
  
  

今回はCPU選びについて書いていきます。
PCパーツを決めていく上で、まず初めに、どのようなCPUにするか決めることになります。

そもそも

CPUとは?


PCを構成するパーツは多種多様ですが、その中核を担うのがCPU(Central Procceing Unit:中央演算装置)です。
PCの「頭脳」と形容されているとおり、全体の処理・演算を行っています。
CPUの性能でPC全体の性能が決定されるといっても過言ではない程の重要パーツです。


CPU選びのPoint


 Intel製一択。AMD製は好きな人が選ぶ
   AMDはIntelに、性能、価格、ラインナップ、全てにおいて現時点では劣っている。
   もちろん普及率もIntelが圧倒的に高い。
   対応するマザーボードもIntel向けのほうが圧倒的に多いためマザーボードを選びやすい。
   AMD向けのマザーボードは種類、流通が少ないため選択肢が狭められる。

 まずは売れ筋Intel製CPUとチップセットの組み合わせがいい
   「売れ筋=使っている人が多い」
   「支持されている=ある程度の安定性が見込める」
   トラブルや分からないことがあった際に解決策が見つかりやすい。
   ※同じトラブルを解決した方法がネット上に公開されている可能性が大きくなる

 基本的にマザーボードとセットで選考する
   今もなおPCパーツは進化を続けています。
   数年前の最新マザーボードでは、現在の最新CPUを搭載することは出来ません。
   後からCPUだけ交換して性能UPを図るのは難しいです。
   マザーボードと併せて、自分の要件に合うCPUを選ぶ必要があります。


以下、IntelのCPUを前提として記述していきます。
記載内容がAMDと合致しない場合があります


CPUの性能


CPUの性能は以下の7点で決定します。
 
 ①動作周波数(クロック)
 ②コアの数
 ③Hyper-Threading
 ④キャッシュ
 ⑤ターボ機能
 
 追加要素として
 ⑥内蔵グラフィックスの機能
 ⑦TDP

CPUを選ぶ際に必要になる各性能について説明します。


動作周波数(クロック)


判断要素として一番分かりやすい要素です。
「3.40 GHz」「2.60 GHz」と表記されている数字です。
1ヘルツは、「1秒間に1回の周波数・振動数」と定義されています。

単位時間当たりの動作量(仕事量)になります。
つまり、数字が大きくなるほど、「処理が速い」「性能がよい」ということになります。
ただし、現在、クロック数に関しては成熟期に達し頭打ち状態となっており、後述するコアの数が重要になってきています。


コアの数


コアとは実際の処理を行う回路のことです。
コア数はその回路の個数を指します。
一昔前は、ひとつのCPUにコアが1個のシングルコアでした。
「Core 2 Duo」の登場以来、ひとつのCPUに複数個のコアをもつマルチコアが主流になっています。

複数のコアで並列処理が可能となり仕事を分担することで、処理効率、速度の向上が可能なわけです。

2個のコアを持つCPUを、「デュアルコア」
4個のコアを持つCPUを、「クアッドコア」
といいます。


2013年現在、6個のコアを持つ「ヘキサコア」、8個のコアを持つ「オクタコア」も存在しますがとても高価。
まだまだ主流は「デュアルコア」、「クアッドコア」となりそうです。

クロック同様、コア数が増えるほど、「処理が速い」「性能がよい」と考えて差し支えないかと思います。


Hyper-Threading(ハイパースレッディング、HT)


Intelが開発・採用している、ひとつのコアを仮想的に2つのコアにみせることで、ふたつの処理(スレッド)を実行させる技術のことです。
デュアルコアなら4スレッド、クアッドコアなら8スレッド実行可能になるわけです。
コアは常にフルパワーで処理を行っているわけではありません。
使っていないパワー、リソースがもったいないですよね。
空いているパワー、リソースをかき集め、もうひとつスレッドを実行できるものを用意することで、処理効率を向上させることができるのです。

素晴らしい技術ですが欠点もあります。
空いているパワー、リソースをフル活用するため、消費電力、発熱量が上がります。
また、あくまで余力での処理であり、演算器の共有は出来ないなどの理由から単純に処理速度が2倍になるわけではありません。
だいたい最大で30%ほどの処理向上に止まるようです。

Hyper-Threadingを搭載したCPUのほうが、ないものよりも処理速度は向上します。


キャッシュ


キャッシュは一時的にデータを格納しておく記憶領域です。
PCにはメモリがあり、メモリも一時的にデータを格納しておく場所ですが、より高速に動作するCPUの内部に記憶領域を設けたものがキャッシュになります。

キャッシュは一次キャッシュ、二次キャッシュ、三次キャッシュと階層構造になっていますが、各キャッシュの容量までこだわる必要はないと思います。
キャッシュの容量が大きいほど、処理効率が上がり性能がよいということになります。

廉価版CPUの定番「Celeron」は露骨にこのキャッシュが削られています。


ターボ機能


IntelはTurbo Boost(TB)と呼んでいます。
ターボ機能は、あまり使われていないコアの余剰電力を、よく使用されているコアにまわしてクロックを自動的に引き上げるという技術です。
i7-3930Kの場合、仕様上では3.20GHzですが、Turbo Boost利用時はGHz3.80GHzまで上がります。

無条件にクロックを引き上げていると温度が急上昇しCPUが焼きついてしまいまいます。
CPU温度を監視しつつ安全な範囲、仕様上余裕がある範囲で、かつ決められた上限値内で、自動的にクロック数が引き上げられます。


注)強制的にクロック数を引き上げるオーバークロック(OC)とは別物なので注意


内蔵グラフィックスの機能


グラフィックボードを組み込まない場合、内蔵グラフィックス機能を搭載したCPUは一考の価値あり。
ただ、グラフィックに拘るのであれば素直にグラフィックボードを組み込んだほうが良い。


TDP


Thermal Design Power:熱設計電力と訳される。

IntelのHPでは「最も熱を発生しているときに、CPUが消費する最大値に近い値を意味します。」と説明されています。
イマイチ意味が分からない・・・

TDPが高いCPUは発生する熱量も多く、その分冷却装置に気をつかわなければならないという判断材料になります。


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以上の性能、ポイントを比較しながらCPUを選ぶことになります( *`ω´)ノ


IntelのCPU比較


IntelのHPにCPUの性能を比較できるページがあります。 →Intel CPU比較サイト 

各シリーズの売れ筋CPUを比較してみました。
左から性能の高い順(=価格の高い順)に、
 Core i7-3930K
 Core i5-2400S
 Core i3-3220T
 Pentium
 Celeron
です。

型番の数字の後ろについているアルファベットは以下のような意味があります。
 K:オーバークロックに柔軟に対応するモデル
 S:低電力モデル
 T:Sモデルよりもさらに低電力モデル


一見すると、動作周波数が、Core i3-3220Tは2.80GHz、Core i5-2400Sは2.50GHz、スレッド数は4で同じで
Core i3-3220Tのほうが勝っているかのように見受けられます。

ここまで読んでくださった方はお分かりいただけるかと思いますが、定格の動作周波数こそCore i5のほうが低いですが、
Core i5はコアが4つでスレッド数が4です。Core i3はコアが2つでHTによりスレッド数が4になっています。キャッシュの容量もCore i5が多いです。
ターボ機能もついていますからCore i5のほうが性能が(けっこう)上ということになります。

最も低スペックなCeleronをベースに各シリーズの違いをざっくり説明します。
※本当にざっくりです。細かい仕様の違いは別途お調べください<(_ _)>

Celeron:2コア
Core i3シリーズ:2コア、HT
Core i5シリーズ:4コア、TB
Core i7シリーズ:4コア、HT、TB

購入の目安


個人的に購入の目安を挙げてみました。参考になれば幸いです。

●高性能CPUを使いたい
 Core i7シリーズを選択することになると思います。
 Core i7シリーズは今のところ天井知らず。
 Core i7-3930Kは、価格は¥50,000ぐらいで、いかなる場合でも十分性能を発揮してくれると思いますが、
 Core i7にはExtremeエディションなるものがあります。
 いわゆるフラグシップモデルで、Intelの力を誇示するCPU群です。価格は¥100,000ぐらいヾ(;´▽`A``
 趣味の世界ですね。。。

●一般的なスペックでストレスなくPCを使いたい
 Core i5シリーズを選ぶといいと思います。価格は¥20,000ぐらい。
 4コア、TBの恩恵により少々高負荷のアプリを使用してもストレスなく動作すると思います。
 予算を抑えたい場合はCore i3シリーズを選ぶことになると思います。価格は¥10,000ぐらい。
 ただ、¥10,000の差は処理速度に出ると思います。
 使用用途が、ネットでブログを読む、Officeを使う程度であればCore i3シリーズで問題ないかと。

●低予算で!
 Pentiumという選択肢もありますが、Pentiumにするのであれば割り切ってCeleronを選択したほうがいいと思います。
 圧倒的コストパフォーマンスのCeleron。価格は¥4,000ぐらい!!!
 安い..・ヾ(。 ̄□ ̄)ツ!!
 スペックが低いということは、裏を返せば消費電力は少なく、低発熱。
 使用用途が事務処理程度なら十分耐えうる性能です。


ということで私が選んだCPUはこちら!


Celeron G1610。お値段、¥3,980也 ヽ(・∀・)ノ ♪
さずが廉価版CPU。外箱がわびしい…


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追加情報として

CPUを選ぶ際は、ソケット形状も意識するとより良いです。
ソケット形状によって選ぶマザーボードが変わってくるためです。
Intelの場合、LGA1155というソケット形状が主流ですが、一部ハイエンドCPUはLGA2011です。
LGA1155のマザーボードにLGA2011のCPUは取り付けることが出来ません。ご注意を。
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今回はこのへんで。
次回はマザーボード選びについて書こう思います
みなさまのPCライフのお役に立てれば幸いです<(_ _)>




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